東北支部

東北支部講演会&総会の報告

 「東北支部総会」を、お陰様で無事終えることができました。昨年と比較すると少ない、40人程度の参加とはなりましたが、まずまずの盛会とはなりました。
 最初に、故酒井先生の散骨の様子も含んだ、自然葬の動画を上映いたしました。自然葬の具体的な実相を知るだけではなく、酒井先生を偲ぶ良い機会ともなりました。
 問芝先生のご講演は墓制の歴史を紐解きながら、その多様性・柔軟性をわかりやすく伝えるすばらしい内容でした。参加者からも「わかりやすかった」と好評でした。
 〈墓は心の中に〉という理念をしっかり確認する意味でも、有意義な講演であったと実感しております。
 講演後に東北支部総会を行い、今年上半期の活動報告や会計報告、役員承認、そして、これからの活動計画について提案・協議し了承されました。また、ようやく完成した『自然葬マニュアル』を皆さんにお披露目し、喜んでいただきました。今後、会員の皆さんのお声を反映させて改訂を重ね、より良いものにしていければ幸いに存じます。

問芝といしば先生講演要旨

 墓の変容というと、一般的には「〈○○家の墓〉のような伝統的な墓から、自然葬や樹木葬のような新しい墓へ」という2段階の変化で理解されがちである。しかし、明治以降の歴史的展開を見ると「墓は変わり続けている」ととらえる方が適当である。
 もともと近世以前の墓制は、各地域や階層によって実にさまざまであり、遺体や遺骨の観念も定まってはいなかった。それが明治以降になると、衛生や都市整備といった行政的発想による近代的な墓地制度が都市部から徐々に成立していった。そして関東大震災を機にカロート式の家墓が登場した。一部にはカロート式という新奇性を警戒し「凶相の墓で祟りがおこる」などとして忌避する人さえいた。しかし結局カロート式家墓は当時の社会にとって合理的だったため、昭和末期にかけて日本全体の流行となった。ところが平成以降、今度はカロート式家墓に代わって、新しい葬送として自然葬や樹木葬などが流行期に入っているといえる。
 さらに2010年代以降の動向をみると、さらなる次世代型の葬送としてエコやバイオテクノロジーを用いた葬送や、AI・VRによる死者との再会など、これまでとは一線を画すようなタイプのものが現れている。墓はこれまで変わり続けてきたように、これからも変わり続けていくだろう。われわれは、どのような葬送・弔いが望ましいのかを、不断に考え続けていかなければならない。

秋田地区交流会の報告

 東北支部総会後の10月19日(土)に秋田市で交流会を開催しました。当日は(会報でお知らせしていたにもかかわらず、残念ながら)4名の参加でした。最初に自然葬の記録動画を上映し、その後歓談に入りました。
 お互いに顔が見えるリラックスした雰囲気の中で、和気藹々と様々な話ができました。以下に参加者の皆さんの感想を紹介いたします。

  1. ♠参加者が少なく、残念でしたが、その分、ざっくばらんな意見交換ができ、充実した時間でした。東北支部長さん編集の「葬送のマニュアル」は、以前から”あったらいいな”と思っていましたので、家族にも見てもらい、活用したいと思います。次回は、一般の方々も参加できるような講演会形式の会を開催できたらいいな、と考えています。(Oさん)
  2. ♠秋田地区交流会にはじめて参加しました。Aさん、Kさんのお話しをお聞きしたり、わからないこと等の質問にも答えて頂き、大変有意義でした。参加された秋田の会員さんの体験されたお話も、お聞きできてよかったです。
    私が自然葬を知った30年前は、都市開発、自然破壊に対して、自然保護活動と合致した運動と感じていました。葬送のあり方は、コロナ禍でも変化し、核家族化で人口減少、高齢化が進む地方でも変化していると実感します。
    自然葬について、興味、疑問等を感じている人も少なくないと思います。今後は、そのような人たちに、会の活動を知ってもらい、葬送のあり方を考える場を作れたらいいと思います。(Yさん)

今後の東北支部の活動について

 今後の活動のことなのですが、高齢化が進む中、会員の皆様に気軽に集まっていただくための契機として〈楽しい〉要素を活動に盛り込まなければならないと実感しております。とりわけ、「大森山再生の森」の住宅と周辺の整備を兼ねた、〈決してハードではない気軽な集まり〉を中心に、この会報を通じて、逐次ご案内していきたいとは思いますが、東北支部会員の皆様からも積極的にご提案いただくことが、NPOであるかぎり、何と言っても重要なことであると推察いたします。「支部長、これをやろう、あれはどうか?」など〈楽しい〉アイデアをお待ちしております。今後とも何卒よろしくお願いいたします。

※お問い合わせは、本部事務局までお願いします。☎03-5577-6209