自然葬と現代社会・論考など

国有林の自然葬への開放

中国支部、東北支部も 森林管理当局に要請

                        

 会は、2009年度活動計画に従い昨年10月20日、北海道森林管理局、11月30日、林野庁に国有林の自然葬への開放を申し入れてきましたが、さらに、中国支部が今年3月12日、広島森林管理署と、東北支部が4月10日、東北森林管理局と同様の交渉をしました。話し合いを通し、国有林管理当局に会の運動に対する理解が広がり始めているようにも感じられます。

■広島森林管理署 会について1時間かけ説明

 中国支部は昨年末、広島森林管理署を訪問し、「開放要請文」のほか、当会の「趣意書」と「葬送基本法の制定について」を提示して説明し、いずれ正式なご回答を得たいと申し入れて退席した。3月12日再度訪問した。その際の回答は「本庁でそちらの会へ回答したと思うがその枠を出るものではない。現段階では開放に対してノーと言うことになる」だった。回答とは別に、応対した総務課長は「改めてこの会はどんなことをやるのか教えて欲しい」と述べたため、質疑応答しながら約1時間、手元の資料によって会の運動について説明をした。1時間も説明できたことは僥倖だった。

 手元資料というのは、支部の勉強会のため作った20ページの冊子である。内容は、「趣意書」「葬送基本法の制定について」「7月3日山折哲雄講演会の案内」「法律解釈」「自然葬全国地図」「支部の活動履歴」「支部の自然葬実績」「有名人の自然葬とその語録」「千の風」「参考文献」などなどである。コピーさせて欲しいと希望されたが、落書きが多く見にくいので、3月19日に予定していた「呉市在住会員の勉強会」のための冊子を3月14日に送付した。帰り道、中国新聞社に立ち寄り説明したがその記事の記載はなかった。                      (中国支部長=山崎俊二・記)

■東北森林管理局 再生の森構想にも言及して説明

 4月10日、秋田の東北森林管理局へ行き、自然葬への国有林の開放を要請してきました。 何度かの電話やファクスで、森林管理局には午後1時訪問、その後秋田県庁の県政記者室では午後2時から記者会見の予定でした。仙台駅に着いた時、上りの「こまち」が強風のため1時間遅れているというアナウンスがあって嫌な予感。11時32分到着予定の秋田新幹線こまち号は、強風、単線、上り優先で結局2時間5分遅れて秋田駅に着きました。何度も「まだ新幹線の中なんです……」と電話して時間を変更してもらいました。

 1時50分に東北森林管理局に着きました。秋田魁新聞の記者も同行しました。国有林野管理課長と企画調整室長が対応し、私たちは世話人の大久保さん、盛岡の堀籠さん、秋田の佐々木さんと私の4人でした。なぜ国有林野の開放を望むのかを話し、自然葬をすることによって都市に住む人が国有林に関心を持ち、お礼のお金を納めることで林がきちんと維持管理される再生の森構想にも言及しました。

 それに対して、国有林は地元の人たちが山菜採りやきのこ狩りなどをしながら森を守っている。その人たちの感情を考えると軽々にはどうぞと言えない、との答えでした。葬送基本法の制定に向けて努力していくので、なお開放を検討してほしいとお願いして30分の要請を終えました。  秋田県庁の県政記者室での記者会見は午後4時半からとなりました。4社が参加しました。資料を配布、森林管理局での経緯を説明し質問を受けました。ひとりの記者が「骨を捨てる」と何度も言うので、「捨てるのではありません。自然に還すのです」と訂正する場面がありました。自然葬に対する意識の都市部と地方の温度差をひしひしと感じる会見でした。     (東北支部長=阿部みちよ・記)

(2010.6)

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